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 三陸・常磐うみうまフェア参加飲食店 産地ツアー レポート
2025年10月1日・2日の2日間、「三陸・常磐うみうまフェア」に参加予定の飲食店関係者が関東・愛知・関西・広島・福岡から集まり、産地ツアーが開催されました。
飲食店は2026年2月頃に各店舗で開催される「三陸・常磐うみうまフェア」に参加予定。フェアでは飲食店と三陸・常磐のうみのうまいもの“うみうま”がコラボレーション!フェア限定の特別メニューがランチやディナーで提供されます。
このツアーでは、展示会や水産加工会社の視察、生産者との意見交換会などを実施。フェアのメニュー開発などに役立てられる、新たな商品との出会いや貴重な体験満載のプログラムの様子をレポートします。
【DAY1】商談会や意見交換会で生産者と交流。
初日のスタートは仙台国際センターで開催された「東北復興水産加工品展示商談会2025」から。会場には約130社の水産加工会社が集結し、各社自慢の商品を展示。参加者は気になるブースを巡り、商品を試食したり、生産者の話にじっくり耳を傾けていました。
 
   
   
  商談会の視察後は、仙台国際センターに隣接する仙臺緑彩館で意見交換・試食会が開催されました。各飲食店の代表者が挨拶を行った後、青森・岩手・宮城にある加工会社7社がプレゼンテーション。東京・六本木の完全予約制・紹介制レストラン「Peace Kitchen TOKYO」を経営する比嘉シェフ監修による、各社の商品を使った料理を味わいながら、商品の特徴や産地のストーリーなどにふれました。
 
   
   
   
  プレゼンテーションの後は、加工会社のPRタイムを含めた試食会を開催。参加者は加工会社のテーブルを巡り、料理を味わいながら生産者と交流。飲食店メニューへのアレンジ方法を相談したり、サンプルを依頼したり、活発なやり取りが繰り広げられました。
 
   
   
  <飲食店参加者の声>
「初めてツアーに参加しましたが、参加者が多く、注目度の高さに驚きました。展示会や意見交換会で生産者の方々の話を聞き、応援したいという思いがより強まりました」(株式会社エムズコーポレーションの坪井さん)
「これまで知らなかった食材に出会えて、メニューづくりのヒントになりました。おいしさはもちろん、生産者さんの思いもしっかりお客さんに届けたいですね」(株式会社バルニバービオーガストの岡田さん)
一方、加工会社も手応えを感じていた様子。女川にある株式会社鮮冷の志摩さんは「これまでお付き合いの少なかった地域の方たちにも出会えました。ぜひ、三陸の海の幸のおいしさを知ってもらいたいです」と語り、青森の株式会社丸石沼田商店の沼田さんは「飲食店の方々に『どういう視点で商品を選んでいるのか』『今どういうニーズがあるのか』など、さまざまなことを直接聞くことができ、良い機会になりました」と話しました。
【DAY2】魚市場や加工会社を訪問。現地の体験をメニューづくりへ。
ツアー2日目は石巻方面と相馬・いわき方面の2つのルートに分かれ、魚市場や加工会社を訪問しました。
石巻ルートでは、魚市場の食堂で朝食を取った後、市場の仕組みやブランド魚「金華さば」についての説明を受けながら施設を見学。市場内に陳列される魚の迫力に、思わず「でかっ!」と声が漏れる場面も。
 
   
  その後は、魚市場周辺に点在する水産加工会社3社の視察へ。大興水産株式会社では魚の選別工場や加工工場を回り、ひとつの商品が原料から加工、出荷されるまでの一連の流れを実際に辿りました。
 
   
  盛信冷凍庫株式会社では人材不足の解決を目指し、全国の加工会社の中でも先進的に取り組まれている工程の機械化・省人化の現場を見学。参加者は興味深そうに設備などの説明を聞いていました。
 
   
  末永海産株式会社では看板商品「牡蠣の潮煮」をはじめ、多彩な加工品を試食。中には人生で初めてホヤを食べるという人も。さまざまな商品を味わいながら「この商品は店でこう出せそう」とアイデアを膨らませる姿が印象的でした。
 
   
  加工会社の見学後は旬の鮮魚や水産加工品、地域の特産品などがそろう観光商業施設「いしのまき元気市場」で、地元で人気の水産加工品を探したり、購入したお刺身を食べて旬の味覚を確かめたり、現地ならではの充実した時間を過ごしました。
一方、相馬・いわきルートは相馬原釜地方卸売市場からスタートし、中澤水産有限会社、株式会社おのざき、株式会社海神の加工会社3社を視察。産地や加工の現場などを見学し、学びを深めていました。
相馬原釜地方卸売市場では、中澤水産有限会社より相馬で水揚げされる魚種の特徴や水揚げから発送までの行程を説明いただき、新鮮な魚がここ相馬から全国へ届けられていることを体感しました。
 
   
  市場見学の後は、中澤水産有限会社の加工場へ移動。鮮魚出荷用のいけすやトラックを見学したり、ヒラメやタコなどの加工品について紹介を受けたり、実際に商品を手に取って質問を重ねたりと、商品の魅力をより深く知る機会となりました。
 
  株式会社おのざきでは、小野崎会長より常磐ものの魚種や加工品についてご説明いただきました。昼食は、施設内にある「潮目食堂」で海鮮丼を味わい、今後のレシピやアイデアに繋がる有意義な時間となりました。
 
   
  株式会社海神では、工場の見学と主力商品である「シマホッケの干物」の試食を実施。参加者は海神自慢の大きく分厚い身が特徴のシマホッケを味わい、普段干物を使用しない洋食店の方々などにとっても新しい発見となりました。
 
  2日間を振り返り、株式会社あかまる商店の田中さんは「意見交換会や加工会社の見学はもちろん、実際に現地を訪れたことで地元の居酒屋での商品の使われ方など多くの発見がありました。フェア単発で終わらずに、継続的な関係づくりを目指したいですね」と言い、株式会社そらの乾さんは「初めて参加し、生産者と直接繋がれる良い機会になり、新しいアイデアも湧きました」と話しました。
産地ツアーによる現地での体験から、“うみうま”や生産者、産地への思いを深めた様子の皆さん。次回の「三陸・常磐うみうまフェア」で、どのようなコラボメニューが提供されるのか注目です!