HOME

2022-10-01

銚子で育まれる海鮮の伝統に触れる

千葉で水産缶詰と醤油を堪能

銚子から太平洋を臨む

海岸沿いに美しい景色が続く千葉県は、南に房総半島、西には東京湾、東に太平洋が広がる、三方を海に囲まれた地域です。

茨城県、埼玉県、東京都に隣接する千葉県はアクセスも抜群。県の北部は東京への通勤にも便利で、南部は、高速道路のアクアラインで都内と直結。東京湾の真ん中にある高速休憩所「海ほたる」は人気のスポットになっています。

千葉県は都市としての機能を持ちながら、山々に囲まれ、豊かな自然環境にも恵まれています。太平洋には暖流・黒潮が南から流れ込み、たくさんの魚が集まります。そのため水産業が盛んで、茨城県との県境、関東の最北東端に位置する銚子市は水産業のまちとして有名です。

銚子の海の幸

年間水揚げ量が日本一であることで知られている銚子港。特にサバやイワシ、マグロ、キンメダイなどの水揚げが有名です。港のすぐ近くにある銚子ポートタワーはガラス張りのツインタワーで高さは57.7m、港周辺や海岸線を360度見渡すことができます。

また、港のすぐ隣にある魚市場はもちろん、沿岸地域に点在する「嘉平屋」のような海鮮料理店の数々でも銚子の水産業の魅力を体感することができます。

田原缶詰の海の幸

1929年創業の田原缶詰は、銚子に本社を置く水産加工会社。当初はサンマを素材にした缶詰で成功を収め、その後、サバ、イワシなど多くの魚種の商品を展開しています。

1960年代には、イギリス、ヨーロッパ、アフリカ、南アジアへの海外輸出でも大きな成功を収めた同社ですが、近年でも創業時と変わることなく、国内市場に向けた商品づくりに向き合っています。

長下蒲焼さんまをはじめ、田原缶詰の人気商品

ニシンやサンマの蒲焼をはじめ、丸みを帯びた形状の伝統的な缶詰シリーズは同社のベストセラー。これらの商品の味わいを支えているのが、銚子の特産である醤油です。

近年、登場したのが四角いアルミパッケージの缶詰シリーズ。切り身がより多く詰められ、軽量であることが特徴です。種類もイワシのオリーブオイルなど、より現代の暮らしに合わせた味わいになっており、パッケージデザインも若者向けになっています。

田原缶詰の最新型商品たち

賞味期限も長く、持ち運びにも便利なので、ちょっとしたお土産にも最適な田原缶詰の商品。ぜひ、試してみてはいかがでしょうか。公式サイトでは、レシピや盛り付けの提案も見ることができます。

また、商品は関東・東北のスーパーやウェルシアといったドラッグストアなどで販売されていますが、楽天市場でも購入することができます。

蒲焼風にしん缶詰に舌鼓

田原缶詰の取り組み

缶詰の生産ライン

田原缶詰は優れた商品を製造するだけでなく、環境に配慮し、社会における責任を果たすことに尽力しています。そのためにSDGs(持続可能な開発目標)の遵守に努め、以下のような方法で貢献することを目指しています:

貧困ゼロ、飢餓ゼロ(SDGs1と2)

例えば、政府主導の人道支援活動をサポートするために缶詰を提供。耐久性に優れた缶と加熱殺菌加工により、賞味期限が非常に長い同社の商品は、災害救援活動においても、その価値を発揮。ウクライナへの人道支援や世界各地の被災地への食糧支援、世界食糧計画や日本政府の取り組みを支援することができます。

責任ある生産と消費(SDG12)

田原缶詰はフードロスの削減にも努めています。加圧加熱殺菌処理により、魚は骨まで食べることができ、頭や尾、内臓など、缶詰にする前に取り除かれる部分は、専門の飼料会社に供給され、すべて飼料や肥料に加工されています。

生産ラインでの手作業による検査

田原缶詰は水産加工業者として、品質管理が最も重要だと考えています。製造ラインの多くはオートメーション化されていますが、さらに工程をくまなくチェック。魚種の特徴に合わせて加工法を変えたり、魚肉を傷つけないようにするため、今でもほとんどの商品においてスタッフが手作業で缶に詰めています。

徹底した衛生対策と安全管理の下、1つの工場でサバの加工を行い、もう一方でサンマの蒲焼きなどを生産している田原缶詰。

その2つの工場では魚のカットや異物の識別など、生産の各段階で、自動化されたセンサーだけではなく、目視によるチェックも徹底しています。

銚子の観光

新鮮な魚介類が評判の銚子には、観光スポットが数多くあります。ぜひ、観光へ出掛けてみてはいかがでしょうか。:

犬吠埼灯台

堂々とそびえ立つ犬吠埼灯台

銚子の南東の海岸に位置する犬吠埼灯台は、イギリス人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンによって明治初期(1868~1912年)に建てられた30基の灯台のひとつ。1874年に建てられたレンガ造りの灯台で、高さ31m、99段の螺旋階段があり、展望台からは犬吠埼と太平洋を一望できます(有料)。

灯台とそのレンズは、140年以上にわたって航海の目印となり、海を照らし、地元の海運業の安全を守ってきました。

屏風ヶ浦

屏風ヶ浦の崖の独特な景観

銚子市南部の海岸線は、独特な形状の断崖や地層など息を呑むような景観が続きます。海岸沿いの遊歩道を歩くと、崖の浸食、火山灰層、不思議な岩穴など、国の天然記念物に指定されている理由が一目瞭然のユニークな景色を見ることができます。また、この地域は地質学的にも価値があり、銚子は日本ジオパークに認定されています。全長約10kmの断崖絶壁は、歴史的な海食によって形成されたもので、その歴史は江戸時代にまでさかのぼり、歌川広重の「六十余州名所図会」にも登場する人気の名勝地です。

ヤマサ醤油味覚体験館

ヤマサ醤油のお土産売り場

水産業と並び、銚子最大の特徴となっているのが醤油製造です。醤油の発祥は和歌山の湯浅といわれていますが、その近くに住んでいた濱口儀兵衛が銚子に移り住み、1645年にヤマサ醤油を創業。その後、江戸の発展とともに醤油の需要が高まり、ヤマサは他の蔵元とともに醤油の産地として銚子の名を世に知らしめ、品質の高さは徳川幕府から認められるほどでした。

ヤマサ醤油では工場見学が可能です。ぜひツアーを予約して、ヤマサ醤油の舞台裏や、発酵工程を含む醤油の製造工程を見学してみてください。お土産ショップを覗いたり、醤油味のアイスクリームを試すのもお忘れなく!

銚子を知る

銚子中心部の主要駅はJR銚子駅。JR総武線、JR成田線、銚子電鉄の3路線が乗り入れています。

東京都心から銚子までは約2時間半、成田空港からは約1時間40分の距離にあります。

車で向かう場合は、東京から東関東自動車道E51で約2時間(成田からは約1時間)。

銚子電気鉄道は、銚子の海岸沿いの地域を結ぶ全10駅の路線。1時間に1本ほどの運行です。

まとめ

千葉県は東日本有数の海産物の産地。田原缶詰の商品は、この地域の豊かな海の幸を活かした企業の一つです。「海の幸の旅」特集ページでは、東北のおいしいものを見つけたり、水産物の作り手の想いにふれることができます。