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2024-12-06

ひたちなかの海産物の歴史を辿る

茨城県産のタコやイカを堪能

那珂湊のひたちなか魚市場を探索

東京からのアクセスも良く、広大な面積の中に沿岸部や山間部など、さまざまな表情を持っている茨城県。福島県、栃木県、埼玉県、千葉県に隣接しているため農業が盛んなイメージがありますが、水産業も盛んな地域です。

茨城県は約190kmの海岸線が続き、豊かな漁場である太平洋に面しています。親潮と黒潮がぶつかるこの海域には、南から暖流の魚、北から寒流の魚が集まり、季節ごとに多種多様な魚介類が水揚げされます。

ひたちなか市は、茨城県のほぼ中央に位置する海岸沿いの町です。国営ひたち海浜公園があり、毎年10月になると真っ赤なコキア(夏ヒノキ)が咲き乱れ、幻想的な風景を見ることができます。また、漁港や魚市場が点在し、茨城の県庁所在地である水戸市からのアクセスも最適です。今回は、そのひたちなか市の地元の水産業、1887年創業の老舗水産加工会社「あ印」にスポットを当ててみましょう。

ひたちなかの海の幸

サバやイワシをはじめ、カレイ、タイ、アワビ、ウニ、タコなど、豊富な魚介類が集まる太平洋に面する、ひたちなか市。

タコ、イカ、エビなどの水産加工会社として地元で有名な「あ印」を訪問しました。それでは、詳しく見ていきましょう。

あ印:たこ製造について

あ印の歴史は1887年、「あ印丸」で漁獲した水産物の販売から始まり、1957年には水産加工業に進出しました。日本のタコの加工品で有名な会社の一つとして、1963年からは西アフリカ経由の追加輸入ルートを開拓し、タコ供給と並行して加工業を拡大。低カロリー・高タンパク質であるタコの需要は年々海外でも高まりを見せており、さらにあ印では調味料や惣菜の小売需要に着目、加工・販売まで手掛けるようになりました。

あ印のタコ刺し
あ印の主な商品 伝統的なパッケージの商品や現代らしい味わいをラインナップ

あ印の商品には、中華風イカの山菜和えやタコの酢の物、タコのバジルマリネやエビのマヨネーズ和えといった、洋風の味わいも。イカの山菜和えは、海外で最も人気な商品のひとつで、アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパなど世界中の日本食レストランで提供されています。ひたちなか市では地元のスーパーや本社工場で購入することができます。

あ印が国内外で高く評価されている要因が、加工技術と品質管理。さらにプロモーションや販売実績の高さも影響しています。先進的な設備を備える同社の工場ラインではタコなどを蒸す段階まで迅速かつ丁寧に処理し、不純物を最小限に抑えることで、毎回ふっくらとした風味豊かな味わいに。また、HACCP認証を取得し、食の安全にこだわるなど、高水準の検査を行っています。

あ印のタコの味わい方

あ印のタコ・イカ・エビの加工品の多くは、業務用として全国のスーパーや飲食店向けに出荷されていますが、一部の小売用加工品は、スーパーやひたちなか工場でも購入することができます。

あ印の味一番 中華いか山菜

人気のタコやイカの山菜和えなど、あ印の商品の多くは味付けにもこだわっており、マリネにしたものなども。ビールやワインなどお酒との相性も良いので、冷蔵品などは、その日のうちによく冷やして楽しむのもおすすめです。

あ印のイカのおすすめの食べ方は、いなり寿司

また、あ印のオフィシャルサイトでは、タコを使った料理やレシピを紹介しています。

ひたちなかの観光

新鮮な魚介類が評判のひたちなかですが、観光スポットも充実しています!続いて紹介するスポットを、ぜひ立ち寄ってみてください。

ひたち海浜公園

みはらしの丘のコキアの夏景色

太平洋を一望できるひたち海浜公園は、一年を通して美しい花畑が楽しめることで有名です。四季折々に色とりどりの花が咲き誇り、県内でも有数の観光スポットになっています。

春の青いネモフィラの海

秋には、コキアが鮮やかな赤に染まりますが、春には一面に広がるネモフィラの青い景色も楽しむことができます。215ヘクタールもの広大な敷地には、砂丘、森林、草原、泉、庭園や遊園地などがあり、さまざまな魅力を感じることができます。

酒列磯前神社

神社に到着
鳥居越しの海

856年に創建された丘の上の神社は、病気平癒や健康祈願のご利益があることで知られています。境内は、月桂樹と椿のトンネル、鳥居の先に海が見える道など幻想的な空間になっています。

木のトンネルを散策

神社の入り口には、幸運と富をもたらすといわれる亀の像があり、この神社にお参りしたところ、宝くじが当たったという話も残っています。

運と富を約束するといわれる亀の像
大洗磯前神社鳥居の海岸 

また酒列磯前神社の姉妹神社で、少し南にある大洗磯前神社は、波間から昇るように見える神秘的な神磯の鳥居が有名です。

那珂湊おさかな市場

魚市場内のレストラン「開化亭海花亭」の寿司の盛り合わせ

ひたちなか市の「那珂湊おさかな市場」では、新鮮な魚介類が水揚げされる水産業を身近に感じることができるスポットです。

市場の外を散策

その日に獲れた新鮮な魚介類を手頃に購入できる他、レストランも数軒あり、茨城の海の幸を味わうことができます。

ひたちなかへのアクセス

これまでご紹介した観光スポットには、以下の駅を結ぶ、ひたちなか海浜鉄道の湊線の利用が便利です。

・阿字ヶ浦駅 (東口):ひたち海浜公園行きシャトルバス、酒列磯前神社まで徒歩20分。
・那珂湊駅: 那珂湊おさかな市場まで徒歩15分
・勝田駅(西口):JR常磐線と接続し、水戸から1駅

湊線の全区間所要時間は約30分です。
バスも、JR常磐線の東海駅と勝田駅からひたちなか海浜公園へ直接アクセスできます。
勝田駅までは、特急「ひたち」「ときわ」で約1時間30分、JR常磐線各駅停車で約2時間かかります。

ひたち海浜公園だけでも四季折々に違った表情を見せてくれるため、一年を通して何度訪れても楽しいスポットです。

まとめ

茨城県は日本有数の海産物の産地であり、あ印の蒸しタコなどは、常磐地方の豊かな魚介類を活かした水産加工品の一例に過ぎません。「海の幸の旅」特集ページでは、東北のおいしいものを見つけたり、水産物の作り手の想いにふれることができます。