南三陸の海の恵みを堪能

風光明媚な景色と栄養豊富な海から生まれる上質な海藻

東北地方の中で最も面積が小さく、最も人口が多い、宮城県。

西部には山岳地帯が、東部には海岸線が続き、多様な自然に恵まれています。県庁所在地である仙台市の北東に位置する松島湾は、日本三景の一つに数えられ、260余りの松に覆われた小島が有名です。また、宮城県には歴史的・文化的な名所、温泉、美味しい海鮮料理など多彩な魅力あふれています。2011年の東日本大震災による津波では大きな被害を受けましたが、災害を力強く乗り越え、再び賑わいを見せています。

南三陸町は、宮城県の北東部にあり、太平洋に面しています。ここでは、素晴らしい海の景色と険しい海岸線を眺めたり、ショッピングを楽しんだり、2011年の記念碑を訪れたり、多くの体験が可能で、一流の海鮮料理も食べることができます。

この記事では、特にわかめやめかぶなどの高品質な海藻製品で有名な加工会社「及新」についてご紹介します。

わかめ・めかぶについて学ぶ

わかめは日本で食用にされる三大海藻（昆布、わかめ、海苔）の一つで、深い緑色、歯ごたえやぬめりのある食感、爽やかな風味が特徴です。めかぶは、わかめの根のすぐ上にある。塩味とほのかな甘みがあり、粘り気がありながらもシャキシャキとした食感が特徴です。わかめもめかぶも、主に味噌汁をはじめとしたスープやサラダなど、さまざまな副菜で楽しまれています。

わかめやめかぶは、三陸産のものが有名。三陸は日本の北東部に位置する宮城県、岩手県、青森県を含む地域で、世界三大漁場の一つを有し、国内のわかめの70%を生産しています。この地域の水はミネラルを豊富に含むため、高品質な海藻を育むのに最適な環境です。

わかめ・めかぶはスーパーフード！

わかめにはカルシウム、マグネシウム、ヨウ素などの豊富なミネラルに加えて、 ビタミンA、C、E、Kなどの栄養素も含まれています。これらは血圧を下げ、心臓を健やかに保ち、血糖値を下げる効果があると言われています。

めかぶも同様のミネラルや栄養素を含んでいますが、アルギン酸とフコイダンという水溶性の食物繊維が多く含まれており、これらは脂質、糖分、ナトリウムを吸収・排出し、腸内環境を整えるのに役立ちます。
これだけ栄養が豊富だと、どちらの海藻も日々の食事に取り入れたくなりますね！

三陸産の水産物といえば「及新」

1989年に設立された「及新」は、三陸産の海藻、ウニ、カキなどの海産物の加工と製造を専門にしています。同社は主に地元から素材を調達。地産地消で作られた商品は全国に届けられています。また及新は塩漬けにこだわり、地元で調達した海藻の鮮度、品質、風味、食感を最も良い状態で楽しめるように工夫しています。

以前、及新ではスーパーマーケットなどに商品を販売するBtoBを優先していましたが、4～5年前に、オンラインショップとECの拡大によりBtoCにシフトチェンジ。同社の商品の品質と特徴をより詳しく伝えられるようになりました。

また、商品の質にこだわる及新は、品質と食品安全に関連するFSSC 22000、MSC、ASC、CoC認証など、数多くの認証を取得しています。

同社は東日本大震災によって大きな打撃を受け、複数の工場を失いましたが、地域で最初に再建を果たした企業の一つです。この震災をきっかけに、同社では、めかぶ製品のラインを開始。最も人気のある商品となりました。

及新の商品を買うには？

海藻を味わうなら、やはり海のそばが一番！

及新の商品を直接購入するなら、オフィス入口にある直販店へ。ここでは、わかめやめかぶ、その他の季節の海産物など、美味しい商品を購入することができます。

驚きの事実

及新の店舗に掲げられていた看板（上の写真）は、津波で本社ビルとともに流されましたが、何と完璧な状態で回収することができました。

及新のめかぶには個別包装された商品もあり、とても便利。そのまま味わうのはもちろん、ご飯の上に乗せても楽しめます。また小袋の醤油をかければ、めかぶの塩味に旨味が加わり、さらに美味しく！観光の合間にぴったりの健康的な一品です！

及新の海藻と共に、南三陸の上質な海産物を堪能したい方には、南三陸さんさん商店街へ。この商店街には28店舗あり、そのうち5店舗が海鮮料理店。お気に入りの店を選んで、新鮮な海の幸がたっぷり乗った海鮮丼をお楽しみください。及新はこれらの店舗のいくつかに海藻を提供しているため、同社のめかぶをいただけることも。商店街で、さまざまな海の恵みを味わってみてください。

南三陸での観光

前述したように、宮城県は東日本大震災と津波によって深刻な被害を受けました。この悲劇を追悼するために、南三陸町にはいくつかの記念施設が設立されており、過去への敬意を払いながら、今を生きるありがたみを感じることができる場所となっています。

南三陸さんさん商店街

南三陸さんさん商店街は、津波の影響を受けた店舗が移転・再開できる場所として2017年にオープンしました。この施設には、レストランやお土産店から整骨院や仏具店まで、さまざまな店舗が集まっています。

現在、商店街は魅力的な木造の外観と多様な店舗で、地元住民や観光客に人気です。各店舗を巡りながら、木製品、マグカップ、急須、日本茶、文房具、そして南三陸特産の商品など、特別なお土産を探してみては？町の可愛らしいマスコット「オクトパス君」グッズも見逃せません！

商店街には美味しい食べ物も豊富に揃っているので、訪れるなら、ぜひお腹を空かせて。屋内外で、カフェのスイーツや菓房山清でのみ販売されるタコのキッシュ、アイスクリーム、お土産用のクッキー、そしてもちろん、さまざまな海鮮料理をゆったりと楽しむことができます。きっと、誰でもお気に入りの一品を見つけられるはずです。

その名前が示すように、南三陸さんさん商店街が目指しているのは、笑顔を育み、太陽のようにさんさんと輝く場所。ぜひ、さまざまな思いが詰まった商店街に立ち寄ってみてください。

南三陸町震災復興祈念公園

南三陸さんさん商店街に隣接しているのが、6.3ヘクタールの広さを誇る、南三陸町震災復興祈念公園。東日本大震災とそれに伴う津波を追悼するための緑地と祈念公園です。東側の入口からは、中橋が商店街と公園をつないでいます。この目を引く印象的な橋は、日本の有名な建築家・隈研吾氏によって設計され、鉄と南三陸杉で構成されています。

公園の注目ポイントの一つは、かつての防災対策庁舎。津波を忘れないために残されており、ひん曲がった鉄骨が公園の穏やかな雰囲気とのギャップを生み出していて印象的。過去の被害の大きさと、現在および未来の復興を象徴する建物です。

遺構を過ぎると、「祈りの丘」と呼ばれる高さ20メートルの人工の丘があり、頂上には石碑が。その少し下には高さ16.5メートルの歩道があり、これはこの地域を襲った津波の平均高さを反映したもの。この歩道を通ることで、津波の大きさを実感することができます。

過去の出来事について強く感じる一方で、公園は緑豊かで穏やかな雰囲気に包まれています。さまざまな若木や花々がこの場所の再生を印象づけ、周囲の山々が絵のように美しい景観をさらに引き立てています。

神割崎

南三陸町の南東部に位置し、太平洋に突き出た神割崎は、自然の魅力を存分に感じられる場所です。ここでは植物や樹木で彩られた険しい崖が、海と交わる壮大な景色を眺めることができます。この岬のポイントは、細い裂け目で隔てられた二つの大きな岩。地元の伝説では、怒れる神々が、この岩を二つに裂いたといわれています。

岩だらけの海岸では、波が鋭い裂け目を通り抜け、泡立つ水となって溢れ出す様子を見ることができます。押し寄せる波が岩で砕かれる水しぶきの力強さ、それとは対称的に静かに引いていく波の音を楽しむことができます。

宮城・南三陸を探索

南三陸への旅は、まず東京駅から東北新幹線で約2時間の仙台駅へ。仙台駅からは、宮交バスに乗って南三陸町の中心部に位置する志津川駅まで直接行くことができます。バスの乗車時間は約1時間45分です。

到着したら、及新の三陸産の海藻を味わい、町の観光スポットや景勝地で現地の魅力を堪能しましょう。

さらに東北の海産物をお探の方へ！

及新のわかめやめかぶは、東北の多様な海産物文化の一部に過ぎません。「海の幸の旅」特集ページで、さらに東北の食のおいしさにふれ、商品に思いを込める水産加工業者を見つけてください。