2024-12-06
いわきのかまぼこを深掘り
福島県のかまぼこを味わい、自分で作る
東北地方に位置し、東は太平洋に面している福島県。日本で3番目に大きな県として知られる広大な県には、美しい自然、歴史的・文化的な名所、温泉、上質な日本酒、新鮮な魚介類など、多彩な魅力があふれています。また、2011年の東日本大震災で受けた甚大な被害から復興を遂げる姿には、県民のひたむきな姿勢を感じることができます。
東京から太平洋の海岸線に沿って北上すると、福島で最初に出会う街がいわき市です。この海辺の町は、炭鉱の町からハワイをテーマにしたリゾートで有名な観光地へと発展した歴史を持っています。いわき市独自の恐竜の化石も発見され、海岸沿いの展望台からは遮るもののない海の景色が楽しめるなど、驚きに満ちています!そして、いわきはもちろん水産業でも有名です。
今回は、かまぼこの生産量で国内トップクラスを誇る、いわきの「夕月」にスポットを当ててみましょう!
夕月:70年以上、かまぼこを作り続ける老舗
夕月の歴史は1951年、マルヤス水産として創業したことに始まります。その後、1963年には社名を「夕月」に変更し、海辺の立地と新鮮な地魚の豊富さを生かしたかまぼこ製造にシフト。1970年代になると機械化と自動化によって、より多くの商品を生み出すことが可能になり、有名な女優や力士を起用したテレビCMによって主に東日本で知られるようになりました。
生産量が大幅に増加しても、品質と衛生へのこだわりが揺らぐことはなく、製品を蒸す前に密封することで不純物混入のリスクを排除する製造方法を開発。1980年代になると「夕月」の名は国内で広く知られるようになり、スーパーにも多くの商品が並びました。
現在、かまぼこの生産量で国内トップクラスを誇る夕月。1日に7万~8万本、需要の多い季節には毎日10万本のかまぼこを生産しています。
夕月のかまぼこは保存料や合成着色料を不使用。小麦や卵白、牛乳も含まれていないため、アレルギーを持つ人でも安心して楽しめます。また、定番のかまぼこだけでなく、意外な味の限定のかまぼこもあります。
夕月のかまぼこにご興味ありますか?夕遊庵へどうぞ!
いわき市にお越しの際は、夕月の製造工場に隣接する直営店「夕遊庵」に、ぜひお立ち寄りください。ここでは他では売っていない特別な蒲鉾を買うことができます!かまぼこは高タンパクで栄養満点、日本の食文化に欠かせない食材です。
簡単に商品紹介!
夕月のおすすめは、定番のかまぼこ、ちくわ、酒粕かまぼこ、そして浜ドッグ。詳しく知りたい方は、続きをお読みください。
夕遊庵では、外出先で手軽に食べたり、宿泊先での夜食にしたりと、さまざまなシーンにぴったりのおいしいかまぼこを購入することができます。
定番のかまぼこはもちろんですが、季節ごとに変わるかまぼこや、手作業で竹串に刺された夕遊庵限定のちくわ、酒粕かまぼこ、新商品の浜ドッグなども販売しています。
酒粕かまぼこは、すり身、塩、砂糖、でんぷん、味噌、みりん、酒粕を合わせた夕月オリジナル商品。酒粕はかまぼこに辛みを加え、魚臭さを和らげてくれます。
夕遊庵の「浜ドッグ」では、洋風なスタイルでかまぼこの香ばしさ、濃厚さが楽しめます。浜ドッグは、ユニークなホットドッグ風の一品で、チーズとベーコン風味のかまぼこをパンで挟んでいます。サクサクに揚げられたパンと、弾力があるかまぼこの異なる食感が絶品です。
伝統の味から現代らしい商品まで、夕遊庵でさまざまなかまぼこを購入し、食べ比べてを楽しんでみてはいかがでしょうか。
かまぼこには日本酒がよく合いますが、福島は日本酒の品質の高さでも有名です。夕遊庵では福島の日本酒も販売。かまぼこと合わせることで、さらに食事が豊かになります。
夕遊庵の営業時間は9:30〜17:00までです。
かまぼこ作り体験
かまぼこを食べるだけでは物足りないという人には、「かまぼこアート」と「ちくわ作り」の2つのワークショップもおすすめです。
かまぼこアートのワークショップは、あなたの創造力を発揮する絶好の機会。ここでは天然の着色料で色とりどりのかまぼこを作り、デコレーションすることができます。出来上がったかまぼこは蒸して持ち帰ることができます。
ちくわ作りのワークショップでは、竹の棒に材料を巻きつけて、自分だけのちくわを作ることができます。最後はスタッフがちくわを焼き、自分だけのちくわを作ってくれます。
どちらのコースもスタッフの方が丁寧に教えてくれるので安心です。
ワークショップの詳細
・リンク:https://www.kk-yuzuki.co.jp/factory/
・10日前までに電話(0246-75-1666)にて要予約
・参加費:500円
・かまぼこアート:1日1回10:30~11:30(60分)
・ちくわ作り:1日2回10:30~11:00、13:30~14:00(30分)
・水曜、日曜、祝日、11月〜1月(夕月の繁忙期)はお休みです。
いわきで観光
かまぼこだけでなく、いわき市にはその伝統と魅力を伝える観光スポットが数多くあります。美食の旅とあわせて、人気のスポットをご紹介します。
いわき市石炭・化石館
いわき市石炭・化石館は、その名の通り、いわきの炭鉱の歴史と世界の化石を展示しています。館内に入ると、まずいわきの恐竜、フタバサウルスの化石に出会うことができます。このプレシオサウルスは1968年にいわきで発見され、約8,500万年前に生息していたとされています。
メインの化石ホールには、ティラノサウルスやトリケラトプスなど、誰もが知っている恐竜の化石が展示されています。また、マメンチサウルスの化石は、アジアで発見された恐竜の完全な化石としては最大のものであり、この博物館で最も有名な展示品のひとつです。化石の部屋では15分ごとに色と音によるプロジェクション・ショーが行われ、陸、空、海を旅するような気分にさせてくれるので、ぜひチェックしてみてください。
はるか昔へ旅aした後は、地中600メートルに到達するシミュレーション体験を楽しめるエレベーターに乗り込み、1800年代半ばから1970年代頃までの炭鉱労働者の生活に足を踏み入れてみましょう。再現された坑道には、石炭採掘の歴史の変遷を見ることができます。薄暗い照明、マネキンを使ったリアルな展示、炭鉱の出土品など、当時の雰囲気を体感することができます。
フロントで展示物に関するパンフレットをもらうこともお忘れなく。
三崎公園といわきマリンタワー
三崎公園は、太平洋に突き出た広大な緑地です。緑豊かな園内には、ピクニックにおすすめの芝生(かまぼこを食べるのにも最適)、遊具、迷路、展望台などがあります。公園で最も象徴的なランドマークはいわきマリンタワーで、海抜106メートルの展望台と屋上のスカイデッキが人気です。それらからは、公園の緑、隣接する港、いわきの街並み、遠くの丘陵地帯、果てしなく続く海を一望できます。
もっと海を近くで見たいなら、潮見台展望台もおすすめです。ここでは、潮風の香りを間近に感じながら、岩場の海岸線と波の旋律的な満ち引きを眺めることができます。
スパリゾートハワイアンズ
新しいエネルギー資源の出現によって炭鉱事業が終了した後、ハワイをテーマにしたリゾートとしてオープンしたのが、スパリゾートハワイアンズです。この大規模な複合施設には4つの宿泊施設と6つのテーマパークがあり、スリル満点のウォーターライドや、日本三古湯のひとつであるいわき湯本温泉の源泉かけ流しの温泉を楽しむことができます。
施設には、レストラン、アクティビティ、ショップに至るまで、南国の雰囲気が醸し出され、花柄の服を身に纏うことで、さらにバカンス気分が盛り上がります。
スパリゾートハワイアンズで最も有名なアトラクションのひとつが、ポリネシアンフラとファイヤーダンスのショーです。才能豊かなフラダンサーたちは、常磐音楽舞踊学院での厳しい訓練を修了。心躍るファイヤーダンス、生演奏の音楽と相まって、時に優雅に、時に賑やかに繰り広げられるフラダンスはとても魅惑的で、パフォーマーたちのエネルギッシュな姿に目が惹きつけられます。
福島県いわき市の探索
いわき駅までは、東京駅から特急「ひたち」「ときわ」で楽にアクセスできます。約2時間20分の列車の旅では、のどかな農地、海岸線などの車窓の景色を楽しむことができます。
多彩な歴史、美しい海の景色、有名なかまぼこなど、いわきは福島の中でも人気の観光地のひとつです。ぜひ夕月に立ち寄り、有名なかまぼこを味わってみてください。
東北の海の幸をもっとお探しですか?
夕月のかまぼこは、東北地方の豊かな海の幸の一例に過ぎません。「海の幸の旅」特集ページでは、東北のおいしいものを見つけたり、水産物の作り手の想いにふれることができます。