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気仙沼ほてい株式会社
2024.08.09

受け継がれるチャレンジ精神で、気仙沼のおいしさを新しいかたちで多くの人へ。

片道5時間かけても買いに来る「かつおのたたき」。

世界三大漁場に数えられる三陸沖漁場を目の前に控える気仙沼漁港。生鮮カツオの水揚げ量は、2024年まで27年連続で日本一を誇っています。そのカツオを原料にした「かつおのたたき」をはじめ、フカヒレスープや缶詰など、さまざまなオリジナリティあふれる商品を展開しているのが、気仙沼ほてい株式会社です。

「気仙沼で1953年に創業して以来、合併や分社化などを行いながら、地域に根ざした水産加工会社として営業を続けています」と話すのは、気仙沼ほていの小松浩信さん。同社で30年魚介の買付から商品開発まで手掛けてきたベテランです。

これまで数多くの人気商品を作ってきた、気仙沼ほてい。その一つのかつおのたたきは、山形県のスーパーが片道5時間かけて購入に訪れるほどのおいしさです。「かつおのたたきは、仕入れから加工、出荷までをその日のうちに行います。熟練工によって、かつおの頭を切り落としてから身を下ろし、商品になるまで10分もかかりません」。

現在では一般的になっているビンチョウマグロの刺身を商品化したのも同社が初めて。およそ35年前、ビンチョウマグロをツナの缶詰の原料として使っていた際、鮮度の良い素材を他のかたちでも活かせるのではと生まれた商品です。「一度、店頭に出したところ大変な人気で、気仙沼、そして他の地域でも刺身として食べられるようになり現在に至っています」と小松さんは話してくれました。

会社の全員が開発部員。

さまざまな画期的な商品を送り出してきた、気仙沼ほていの挑戦心やフロンティア精神。それは昔からの社風が生み出しているものだと小松さんは教えてくれました。「当社では“全員が開発部員”という心持ちで商品づくりにあたっています。昔から新メニューを開発した人を表彰する制度があったり、既存の商品をどう改善すればもっと食べやすく、おいしくなるかということを常に皆で話し合っています」。

また、小松さんによると、社員の約7割は女性。気仙沼周辺で育ち、ずっと地元の魚を食べて一番おいしい食べ方を知っている気仙沼のお母さんたちが、アイデアを出し合っているそうです。

新商品の「おつまみ 鰹とチーズ」も、その一つ。特製醤油だれで味付けされたかつおに、コロッとした濃厚なチーズが添えられ、ついついお酒がすすむおつまみです。

「こういった当社らしいアイデアが活きる付加価値の高い商品を、たくさん作っていきたいですね」と小松さん。その先に見据えているのは、自社ブランド商品による地域貢献です。

「長年、地域の方に愛していただいている恩返しとして、気仙沼のおいしい海の幸を全国に広めたいと思っています。できれば、現地に足を運んでここの空気を感じながら食べてほしいですね。当社の商品が、気仙沼に興味を持つきっかけになればうれしいです」。

COMPANY INFO 今回のつくり手さんの会社

気仙沼ほてい株式会社

住所
〒988-0003
宮城県気仙沼市本浜町1-43-1(本社工場)
取扱製品
カツオのたたき、ふかひれ濃縮スープ、各種缶詰 ほか